◎あらすじ◎
この話は、町内での小言を交えた、ある大家の人生の様々な出来事をユーモラスに描いた落語です。
物語は、主人公が町内を一回りして帰宅し、犬や天気に対して小言を言う場面から始まります。その後、貸家の話に絡んだやり取りが続きます。まず、家を借りようとする男が現れますが、聞き方が悪く、主人公はその男に小言を言います。商売がうまくいかない男が、家を借りるために家族のことを尋ねられると、子どもがいないことを自慢し、そのために家を貸すことができないと主人公が断ります。
次に、別のお客が登場し、丁寧に家を借りたいという申し出をします。主人公はその人物を歓迎し、過去の自分の商売経験を話し始めます。かつて、彼が大家になる前に隣で荒物屋を営んでいた時の話が展開されます。その後、彼は自分の妻について話し始めます。妻は亡くなり、その後、妹と再婚することになりますが、妹にはある奇妙な出来事が起こります。妹は、故姉の位牌が毎朝後ろ向きになっていることを気にし、最終的にはそのことで病んで亡くなってしまいます。
主人公は、この不思議な出来事に悩みながらも、仏壇を見守り続けますが、ある夜、位牌が動き出すという現象が起こります。その結果、主人公は、二番目の妻の死が搗米屋によるものだと信じ、仇を討つために準備を始めるという結末に至ります。
この話は、ユーモアを交えながら、日常生活の中での人々の悩みや奇妙な出来事を描いており、落語らしい軽快な展開と深い人生の教訓が織り交ぜられています。
◎演目視聴◎
こちらでは『三代目古今亭志ん朝』と『五代目古今亭志ん生』の『搗屋幸兵衛』をご紹介いたします。
三代目古今亭志ん朝(1938-2001)
『搗屋幸兵衛』(25分22秒)

五代目古今亭志ん生(1890-1973)
『搗屋幸兵衛』(19分49秒)
